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資金洗浄対策は十分か

マネーロンダリング対策を担う国際組織の金融活動作業部会であるFATFが、 本日10月28日から約3週間の予定で日本の対策を現地調査

マネーロンダリングというのは日本語では「資金洗浄」といって、 麻薬取引、脱税、粉飾決算などの犯罪によって得られた資金を 、口座から口座へと転々と動かし、その資金の出所や受取人をわからなくする行為で、年々このマネーロンダリングの手口が巧妙になっており、今回日本で実施される調査は、 2008年以来11年ぶりということで、厳しさを増した調査になりそうです。

国際機関「FATF」が行う調査では、金融機関が送金した顧客の本人確認をどのような方法で行っているか、注意が必要な顧客の情報を組織内でどのように共有しているかを調べるのだそうで、さらに金融庁などに対し、監督方法に問題がないかといった点など、およそ50項目について国際機関の担当者が直接、聞き取りするのだそうです。

また、近年サイバー犯罪が後を絶たない状況となっていることから、今回から暗号資産の交換業者も初めて調査するのだそうで、銀行と同じ水準のマネーロンダリング対策が取られているかどうかチェックする方針となっているようです。

審査結果は来年夏ごろに公表される予定となっているようですが、銀行もさることながら、 暗号資産の交換業者までもチェックされるとなると、その調査結果が出る頃にはどのような問題が起こるのか、ちょっと怖い気もしますね。

2008年に公表された第3次審査において日本は「27カ国中18位」という低評価を受けており、その結果を受け、改正犯罪収益移転防止法(犯収法)が施行されたのですが、その中で、外国人PEPsの金融取引を厳しく確認するよう求めてはいるものの、国内のPEPsに対しての規制は放置されたままとなっているのだそうで、今回の第4次審査では国内での問題で大きな騒ぎにもなりかねません。

しかも、FATFが第4次審査を終えた23カ国の中で、実質的な合格はたったの5カ国のみということですから、日本が合格水準に達する可能性は極めて低いでしょうし、まさに今が日本の金融機関の正念場とも言えそうですね。

経営難のウィーワーク

起業家向けのコワーキングスペースを提供することで働き方に革命をもたらしてきたウィーワークですが、近年の経営難から、これまで出資を受けてきたソフトバンクグループから、新たに1兆円規模の金融支援を受けることになったのだそうです。

発表によると、ソフトバンクグループが50億ドル、日本円にして約5400億円を貸し付けるほか、既存株主から最大30億ドルの株式を公開買い付けし、株式の保有比率を80%程度まで高めるのだそうです。

また再建にあたりソフトバンクグループ副社長のマルセロ・クラウレ氏がウィーワークのエグゼクティブチェアマンとなるのだそうで、共同創業者でウィーワークを率いてきたアダム・ニューマン氏は議決権を行使しないオブザーバーとして取締役会に参加するのだとか。

しかし、本当にビジネスというのは難しいものですね。

これまでウィーワークは、ソフトバンクが作った10兆円規模のファンドから1兆円を超える投資を受け事業を拡大してきており、今年初めではその企業価値が470億ドル、日本円にして5兆円を超え、株式公開されれば、多額の利益がソフトバンクにもたらされるとみられていたのですが、近々では、その企業価値は年初の6分の1近い80億ドル程度まで急落、この秋に予定していた株式公開も見送られていて、さらにはその資金繰りさえ疑問視されているところでした。

しかしながら、ソフトバンクグループの孫正義社長は、ウィーワークに対して「世界の人々の働き方を大きく変える役割を担う先駆的な会社」だと信じているようで、今後もサポートしていくようで、この支援が吉と出るか凶と出るか、動向を見守っておく必要がありますね。

金融版Slack

三菱UFJフィナンシャル・グループが「金融機関向けのSlack(スラック)」ともいうべきビジネスチャットを導入するのだそうですね。

導入されるのは、アメリカのシンフォニー・コミュニケーション・サービシズのビジネスチャットのようで、設立は2014年、ゴールドマン・サックスやシティグループなど15の金融機関が共同出資で発足され、世界400社超の導入実績があるのだそうで、 2020年3月までに三菱UFJ銀行などが実現性を検証するPoC(概念実証)を始めるのだとか。

PoCというんは「Proof of Concept」の略語で、日本語では「概念実証」「コンセプト実証」と訳されるのが一般的で、 新たなアイディアや企画、構想、コンセプトに対して、それが実現可能なのか、目的とする効果や効能が得られるのか、市場に受け入れられそうなのか、などといったことを本格的にプロジェクトを開始する前に検証することです。

Symphony(シンフォニー)

このシンフォニーはクラウド型のコミュニケーションツールで、職場内だけでなく取引先など社外ともやり取りができるもので、金融業界のトレーダーや営業担当者らが使っており、ファイルを共有したり、ビデオ会議などもできたりするようで、基本料金は1人当たり月20ドル(約2200円)となっており、導入企業の規模に応じて手数料を取るようで、このシンフォニーの強みは、独自の暗号化技術を使ったデータ保護やセキュリティーで、コンプライアンスや情報保護が厳格な金融機関を中心にその利用が広がっていて、国内でもみずほ証券など大手証券会社やメガバンクなどが相次ぎ採用しているそうです。

シンフォニー

なんでもこのシンフォニー、金融業界のコミュニケーションツールとしてブルームバーグのサービスがあるのですが、シンフォニーはその牙城に風穴を空けたことから「ブルームバーグキラー」の異名を持つほどなのだそうですよ。 

SBIとYahoo!が金融サービスで提携

SBIホールディングス(SBIHD)と、ヤフーの親会社であるZホールディングス(ZHD)が本日10月10日、両傘下のグループ会社間において、金融サービス事業における業務提携を締結したと発表しました。

両社はグループ会社同士で連携し、証券、FX、銀行といった分野で利便性の高いサービスの提供を目指すのだそうで、証券事業ではSBI証券とヤフーが連携し、ヤフーの金融メディアである「Yahoo!ファイナンス」を通じ、SBI証券の口座開設や証券取引を行えるようにするのだそうで、FX事業においてはSBIリクイディティ・マーケットとワイジェイFXが協力し、これまで両社が蓄積してきた取引ノウハウなどを相互に活用するのだとか。

また銀行事業では、住信SBIネット銀行とジャパンネット銀行が提携、住宅ローンの取引を増やしていく方針で、今後はSBIグループの金融サービスをYahoo! JAPAN IDで利用できるようにするなど、両社間の相互利用を促進する取り組みも検討していくのだそうです。

もともとZホールディングスは、10月1日に会社分割(吸収分割)により、旧・ヤフーから商号を変更した持株会社で、Zホールディングスの傘下には、金融中間持株会社としてZファイナンスもあり、SBIホールディングスは、もともとはZホールディングスやヤフーと同じソフトバンクグループで金融事業を手がけていた企業で、2006年にソフトバンクグループから完全独立を果たし、当初はSoftBank Investmentだったのが、独立後Strategic Business Innovatorとなり、同じSBIとなっています。